詩を読むような僕の独り学

近畿大学の図書館司書課程の学習記録ほか

5804 図書館情報資源特論 レポート

【設題】逐次刊行物の意義及び特性について述べ、さらにその種類について簡潔に説明せよ。
 *ポイント
 ①逐次刊行物とは何か。意義と特性をまとめる。
 ②逐次刊行物にはどのようなものがあるか、種類を説明。
【字数指定 2000字】(増減100字以内)

1. 逐次刊行物の意義及び特性
(1) 意義
 出版物には、大きく分けて、単独に刊行される単行資料と、終期を予定せず継続して刊行される継続資料がある。継続資料には、逐次刊行物や更新資料がある。逐次刊行物は、「一つのタイトルのもとに、終期を予定せず、巻号・年月次を追って逐次刊行される出版物」と定義される。したがって、全集や講座といった出版物は、必ずしも巻を追って刊行されるとは限らないので、逐次刊行物とはみなされない。また、法規集やウェブサイト、加除式資料など、部分的に内容が改訂される資料は更新資料という。
逐次刊行物は、月刊、週刊などの刊行頻度をもった定期刊行物と、刊行頻度が決まっていない不定期刊行物に分けられる。媒体は紙に限らず、CD-ROMや電子ジャーナルのように物理的実体をもたない場合もある。
(2) 特性
 逐次刊行物は、図書(単行書)と比較すると次のような特性がある。
① 内容の速報性
 最新の情報や研究の成果をスピーディに掲載でき、即時性のある情報提供が行える。
② 内容の特定性、部分性
 特定のテーマのある部分に焦点をあてたり、断片的な事柄や限定されたテーマについても、雑誌記事や論文の形で情報提供できる。
③ 刊行の継続性
 年鑑・白書のようにいくつかの巻に分かれて類似した体裁で、継続して出版されるので、データや数値の変化を過去に遡って知ることができる。
④ 執筆の多元性・多次性
 通常は複数の執筆者がそれぞれの論文・記事を掲載するため、相互に関係を有せず多元的である。また、一次資料(オリジナルな論文等)と二次資料(紹介記事や文献目録の一部等)が混在している。
 逐次刊行物は、発売期間を過ぎると入手しにくくなるため、バックナンバーの調査等には図書館の利用が有効である。なお、逐次刊行物はタイトルが変更される場合もあるため、その変遷を関連付けて記録しておく必要がある。雑誌のタイトル変遷については、国立情報学研究所が提供する「雑誌名変遷マップ」からも検索できる。

2.逐次刊行物の種類
 逐次刊行物の具体的資料には、定期刊行物である新聞や雑誌、年鑑等のほか、不定期に刊行されるニューズ・レターや大学の紀要等がある。主なものを以下に説明する。
(1)新聞
 不特定多数の読者を対象に、最新のニュースの報道と論評を目的として刊行される。速報性を重視して原則日刊で刊行され、紙葉が折りたたまれた形態で、綴じていない印刷物である。
 新聞の種類は、紙面内容の観点から、広範なニュースを扱う一般紙と、特定の産業・経済や専門分野等の話題に限定した専門紙に区分できる。一般紙は、配布地域別に全国紙と地方紙に分けられる。
 新聞は速報性を重視するために日刊紙であることが基本となるが、その他に、隔日刊紙、週刊紙、月刊誌、不定期刊紙等がある。
 図書館における新聞の業務には、閲覧と保存がある。利用者へは、ネジ止め式等で綴じて棚やラックを利用して提供する。各新聞社のニュースに対する価値判断も反映されるため、読み比べ出来る材料として数種類の新聞を提供する必要がある。また、インターネット上で記事を公開している新聞社もあるため、図書館のネットワークからの閲覧も可能である。

(2)雑誌
 雑誌とは、同じ誌名のもとで、無期限に継続的に刊行され、巻数や号数のつけられた出版物である。学術論文を収録している学術雑誌と、一般大衆向けの記事を掲載して市販される商業雑誌に大別することができる。その他には、官公庁の月次報告書、自治体の広報誌や企業のPR誌や社内報等がある。
① 学術雑誌
 学術雑誌とは、とくに学術論文を掲載するもの、および特定分野の研究、開発に関する最近の情報伝達を行う雑誌である。専門の学術分野ごとに存在するため、種類が多い。学協会、教育機関、学術出版を主とする商業出版社から刊行され、会員のみに配布されるものもある。学術雑誌は、学術研究の発表の場としての役割を持つ。査読を行う審査制度を有するが、これは研究内容の新規性の審査や、当該雑誌への掲載論文の水準を保つためである。学術雑誌には、原著論文、レター、レビュー、紹介、ニュース等も掲載される。
 最近は、インターネット上で発行される電子ジャーナルが多く利用されている。電子ジャーナルは、出版までの時間が短縮でき、膨大なデータの添付、検索やリンク機能等の使用が可能である等、印刷版では実現できない様々な長所がある。
② 商業雑誌
 商業雑誌とは、一般的な読者のための逐次刊行物であり、広範囲の執筆者の様々な主題に関する記事を収録する雑誌である。執筆者名は明記されない場合も多い。取次ぎおよび書店等を経由して刊行される。出版業界では「雑誌」といえば商業雑誌を指し、同一タイトルのものは全国一斉の定日発売が厳守されている。

(3)年鑑
 年鑑は、新聞社や政府、政府の外郭団体、民間会社等が過去1年間に実施した内容や各種統計を収録し、1年に1回発行するものである。具体的には、総務省統計局が毎年発行する『日本統計年鑑』がある。この中には国の国土、人口、経済等の統計情報が記載されている。

参考文献
日本図書館情報学会用語辞典編集委員会(2013)『図書館情報学用語辞典 第4版』丸善出版
日本図書館協会目録委員会(1984)『日本目録規則 新版 予備版』日本図書館協会
森 美由紀(2016)『図書館情報資源概論』近畿大学通信教育部

◇◇◇

あまりうまく書けなかったレポートです。
講評では「逐次刊行物の意義を求めているが、記述されているのは定義や逐次刊行物の特徴のみとなっている」「年次報告書、白書はもう少し記述が欲しい」「電子化についても触れましょう」とのコメントがありましたので、ご参考ください。
※掲載するレポートや解答例は、個人的な記録として参考までに公開するものであり、これらを模倣して試験に落ちた場合も責任は負えません。また、いわゆるコピペレポートは禁止されておりますので、書き写しはご遠慮ください。

科目終末試験(1月・Web試験)終了

科目終末試験(1月・Web試験)終了しました。
前の記事でも書きましたが、今回受験した2科目ともテキストが盗まれてしまったので、図書館で参考になる文献を借りてきて間に合わせで受けました。。

試験問題は、

◇図書・図書館史→戦前と戦後の図書館発展の違い。

◇図書館情報資源特論→「知る自由」、「表現の自由」、「言論の自由」とは何か。

といったところでした。
なんとなく遠くはない解答がつくれたけど、テキストが手元にないのでかなり曖昧な内容になってしまいました。落ちたらテキスト書い直します。。

今月もおつかれさまでした。
ポケモンの図鑑はだいぶ前に埋まりました。

電車に置き忘れた荷物から、近畿大学のテキストが盗まれた話

タイトルのとおりですが、年末に実家に帰省した際、電車の網棚に荷物を置き忘れて下車してしまいました。

けっこう大きなバッグに、服や下着、司書課程のテキスト、ノート、化粧品……と生活に使うものがいろいろ入っていました。
降りてすぐに気が付いたのですが、すでにその車両は折り返してしまっていた……のであわてて駅員さんに事情を説明し、駅の情報センターを案内してもらいました。
荷物の中身を細かく伝えて、書類に必要事項を記入。もしみつかったら連絡くださるとのことでした。

幸い、財布やスマホは持っていたのですが、その日はショックで呆然としながら家に帰りました……

服はお気に入りのだし、下着は買ったばっかりだし、化粧品もまた揃えるのめんどくさいし、1月8日の科目終末試験に向けて2科目分の勉強するつもりだったので、めちゃテンションさがった。
ほんとうに最悪の年末である。
そわそわして数時間おきにJRの遺失物問い合わせセンターに電話してしまいましたorz
年末だし私みたいなポンコツ者がたくさんいたと思いますお忙しいお忙しいところ本当にすみません。

終点駅で発見

翌日、お昼頃にJRさんに電話をかけて、遺失物の特徴を伝えると、「文庫本のタイトルが一致したものがありました」とのことで、荷物は無事に発見されていた。
どうやら最終列車を車庫にいれたときにみつかったようで。
「みんなそのまま放置してくれてたのか~さすが日本治安がいい」と思ってかなり安心し、神に感謝しました。

圧縮されている??

しかし、宅急便で自宅まで荷物を送ってもらうと、
あ、あれ???なんか荷物ちっちゃくなった??めちゃくちゃ圧縮されてる???
って感じで、小さな紙袋が届いて驚きました。
嫌な予感がしつつも開封してみると、あっ…………はぁ????

そこにあったのは、バッグと、バラバラの化粧品(ポーチだけがなくなっている)、文庫本(ブックオフで100円のやつ)、充電器、のみ。。。

衣類、下着、近畿大学のテキストはなくなっていました。

うーん……下着盗むのはわかる。衣類盗っていくのもわかる。

 

ただし近畿大学のテキスト、テメーはダメだ

 

いや最悪でも、テキストとノートは返ってくると思ったんだけど、なぜ??????解せねー
なくなったものから考えると、ある程度物色されたんだと思う。でもこんな転売価値がないもの盗んでいくのかよ……

今からテキスト買っても試験には間に合わないし、解答もまたいちから作り直さなくちゃいけないし、本当に面倒だし、無駄な手間ばかりかかって、本当に虚しかった。。

もう網棚には荷物を置かないよう気を付けようと思います。高い勉強料を払ってしまいました。

初詣でおみくじひいたら大吉だったので、この件は昨年の不運が滑り込みできただけだったと思いたい。

最後にお願い。
オークションやフリマアプリで、近畿大学の「図書館情報資源特論」と「図書・図書館史」のテキストが出品されていたら教えてください
それきっと私のやつなので

5801 図書・図書館史 レポート

【設題】日本または西洋のどちらかを選び、それぞれの時代(古代・中世・近世・近代以降)の図書館発展の特徴を骨太に要約し、かつ私見(400字以内)を述べてください。
【字数指定 2000字】(増減100字以内)

西洋における図書館発展について述べる。
1.古代
世界最古の図書館は、メソポタミアのアッシュール・バニパル王(BC668~626)の図書館とされている。王が収集したのは楔形文字で描かれた粘土板で、宗教、歴史、科学、文学などあらゆる分野にわたっており、学者には公開されていた。
BC300年頃にはエジプトのプトレマイオス一世がアレクサンドリア図書館を創設し、学術文化の中心地として、膨大なパピルスの巻軸図書を収集した。この図書館には写本の専門職員がおり、彼等の生産した写本は図書館に納められると同時に市販もされ、図書館と出版局機能が一体化していたという特徴がある。また、ピナケスという総合目録を作成しており、この時代に利用のメカニズムが存在していたことは注目される。
アレクサンドリア図書館と並び称されたペルガモンの図書館では、パーチメント(羊皮紙)を書写材料としていた。羊皮紙は、ペルガモンへのパピルス紙の輸出が禁止されたために考案されたものだが、冊子形式をとることが出来たため、一般的に流布するようになった。

2.中世
この時代では、キリスト教会や修道院が教育や文化の担い手となり、後世への橋渡しを果たす。修道院図書館は、6世紀までにかけてヨーロッパ各地に建てられた修道院にキリスト教関係の文献が集められてきたことで形成された。中世の修道院は、当時唯一の教育機関であり、学ぶ人の多くは修道士であったが、次第に一般世人にも開放されたことで人々の学問への意欲が高まり、12世紀の大学発生の要因ともなった。
図書館の公開制への動きは15世紀頃から見られた。それは公開用と保存用に分かれ、公開用は一部の知識階級に限られていたものの、幽閉的な修道院図書館からの脱却の現れという意義をもつ。なお、活版印刷の普及までは書写による羊皮紙の図書生産が一般的で、本は依然として貴重だったため、聖書関係や参考図書などは鎖付き本として管理された。貸出は、特定の人や保証金を積むなど厳格な条件のもとで行われた。

3.近世
1450年頃にグーテンベルクが発明した活版印刷と紙の普及によって、図書が大量かつ安価に生産され広範囲の人に行き渡り、教育の普及が促進された。写本から刊本への移行のなか、図書館のあり方は大きく変わり、図書の保管方法も変化する。図書の量的な拡大により、書架に並べられるようになり、公開制や貸出が促進され、近代図書館の姿が芽生えたのである。
活版印刷術の発明は、聖書や改革運動を推進したルターの論文等を急速に広め、宗教改革を成立させる一因ともなった。宗教改革では多くの図書館が破壊や略奪の被害を受けたが、差し押さえられた修道院図書館は市立図書館や大学図書館に発展し、新教の布教を狙いとした大衆向きの教会図書館も出現した。

4.近代以降
1789年のフランス大革命で古い制度が打ち壊されるなか、図書館においても、特権階級に限られた文献を広く一般に公開しようという政策がとられた。教会、貴族や修道院等の図書館を没収し、国家の財産として国民にその利用が委ねられたのである。王室図書館はフランス国立図書館と改称され、公共性に対する認識が深まるとともに新しい市立図書館が次々設立された。
無料制の学校が開かれ教育が普及したことが、社会教育機関の一つとしての図書館に影響を与え、無料の公共図書館の発展も見られた。イギリスやアメリカでは、法的な根拠のもとで公費によって運営が行えるよう図書館法が制定された。

現代はコンピュータの登場により情報化社会となり、図書館間の協力が国際規模まで進み、文献は膨大になり、情報の電子化が進んだ。
この中で、図書館における資料の保存と活用の手法にも変化が見られた。図書館の資料収容能力には限界があるため、別置したり廃棄したりする必要があるが、最近では紙の本を電子化するというメディアの転換が可能になった。さらに、複数の図書館が図書を共同で保管し、資料と書庫の経済的活用と図書の再利用を図るデポジット・ライブラリーという構想が生まれた。また、複数図書館の共同分担によって総合目録を形成する書誌ユーティリティにより、各館での目録作業が軽減され、相互貸借による活用が促進された。

5.私見
現代では当たり前となった紙の冊子も、パピルス、羊皮紙などの変遷を経て普及し、現代では電子書籍という新たなメディアも一般化しつつある。図書や図書館のあり方は今後も進化し続けるだろう。一方、長い歴史の中で図書館も興亡を繰り返してきたが、利用者は制限されることが多く、公共のものとして公開されたのはごく最近のことである。しかし古代から人は粘土板に文字を刻み、一冊ずつ写本して保存するとともに、その共有を目指してきたことから、知識への熱意は不変であったことが読み取れる。図書館の発展は、図書を大衆が獲得した歴史とともにあり、そして図書館が人々にもたらした知識によって、現代社会の発展が支えられている。図書館が人の進歩に果たした役割は大きいと感じた。

参考文献
小黒浩司(2013)『図書・図書館史(JLA図書館情報学テキストシリーズ3-11)』日本図書館協会

◇◇◇

私は高校では日本史未履修、理系コースだったので世界史も独学、という…歴史にめっぽう弱いのですが、一度目で合格いただけて嬉しかったです。
「アメリカの発展史をさらに追及して、図書館の役割とは何か、公共性の系譜を考察してみよう」というコメント(確かにかなり省いてしまった)と、あたたかい応援のメッセージをいただけて、ほっこりしました。
※掲載するレポートや解答例は、個人的な記録として参考までに公開するものであり、これらを模倣して試験に落ちた場合も責任は負えません。また、いわゆるコピペレポートは禁止されておりますので、書き写しはご遠慮ください。