詩を読むような僕の独り学

近畿大学の図書館司書課程の学習記録ほか

5703 図書館情報技術論 レポート

【設題】テキストから情報技術に関する章を4つ以上特定し、
①特定した各章の内容がどの様に関連しているかについて論述して下さい。
②更に、特定した各章の内容が組み合わされて図書館でどの様に応用されているか具体例を一つ挙げて論述して下さい。
【字数指定 2000字】(増減100字以内)

1.各章の関連
テキストの第1章「コンピュータに関する基礎知識」、第2章「インターネットに関する基礎知識」、第6章「データベースの仕組み」、第7章「検索エンジンの仕組み」の関連を以下に論じる。
(1)第1章「コンピュータに関する基礎知識」
1946年に最初のデジタルコンピュータが発表されて以来、その性能は年々向上し、膨大な量のデータを扱うことが可能になった。これは第6章のデータベース技術と関連する。また、形態も多岐にわたり低価格化も進んだことで、個人向けの端末としてパソコンが普及し、携帯型のノートパソコンや携帯電話、スマートフォンも一般化した。コンピュータが普及した結果、単体ではなく、LANや電話回線、ブロードバンド回線を用いてネットワークに接続して使用することが多くなった。これは第2章のインターネット技術に繋がる。
(2)第2章「インターネットに関する基礎知識」
第1章のネットワーク通信技術を活用し、インターネットが普及した。これにより遠隔地間での膨大なデータのやりとりが可能になった。その膨大なデータを蓄積するものが、第6章のデータベース技術である。
(3)第6章「データベースの仕組み」
データベースとは、第1章で高性能化したコンピュータ技術を用いて、検索できるように体系的に蓄積された情報の集合物である。膨大な情報から必要なデータを抽出するためには検索技術が必須だが、これは第7章と関連する。また、データベースは目的の情報が検索できるだけではなく、大量のデータをリアルタイムに管理することも可能である。
(4)第7章「検索エンジンの仕組み」
 検索エンジンとは、第2章のインターネット技術と第6章のデータベース技術をもとに、インターネット上の情報資源をデータベース化し、検索できるようにしたシステムである。Webページを自動的に収集するロボット型サーチエンジン(代表例「Google」)が、現在は主流となっている。これにより、キーワード等さまざまな条件での高速検索が可能になり、何万件と収集されたデータの中から、必要な情報を即座に引き出せるようになった。

2.図書館での応用例
上記で取り上げた情報技術を組合せて図書館で活用した例について、国立情報学研究所が提供するNACSIS-CATを中心に述べる。
目録所在情報サービスNACSIS-CATは、参加する図書館が所蔵する資料の情報をオンラインでデータベース化し、共同で利用するシステムである。NACSIS-CATのサービスと、各章の技術との関連は以下のようになる。
各図書館において蔵書登録を行う際に、NACSIS-CATにアクセスし、目録情報の登録またはダウンロードを行う。このとき各図書館と国立情報学研究所のサーバーを接続するが、ここに第1章のネットワーク技術と第2章のインターネット技術が活用されている。該当の目録情報を探すにはデータベースから検索を行うが、これは第6章のデータベース技術、第7章の検索エンジンの技術と関連する。紙のカード式図書目録ではできなかった、複数条件での検索や、書名や著者名の一部分での検索が可能となっている。
該当の書誌データがすでに登録されていれば、データをダウンロードすることができ、目録作成業務の負担を軽減することができる。データがみつからない場合には、新たに情報を登録することになるが、オンライン上のデータベースを更新することによって、今度は別の図書館がそのデータを利用することができ、効率的に業務を行える。膨大な目録データの蓄積・管理には、第6章のデータベース技術が使われている。そしてこれは第2章のインターネット技術を用いたネットワークで管理されているため、書誌データや所在などの情報の書き換えをリアルタイムに反映することが可能なのである。
また、各図書館では、NACSIS-CATからダウンロードした自館の蔵書目録データベースを用いて、利用者にOPACによる蔵書検索サービスを提供する。図書館は蔵書検索機能をホームページ上に公開するようになってきており、利用者はわざわざ図書館に出向かなくとも、自宅のパソコンや携帯電話を使って事前に検索し在庫を確認することができる。これは第1,2章のコンピュータの性能向上や低価格化、インターネットの普及といったことが背景にある。蔵書検索機能には、第6章のデータベース技術が活用されているため、キーワード等さまざまな条件での高速検索、複数人の同時利用、貸出状況のリアルタイム確認が可能である。
このように、情報技術の応用によって作り出されたサービスが図書館の機能を引き出し、利用者の利便性を向上させている。情報技術は日々進歩しており、今後はデジタルレファレンスサービスや作業の自動化(ロボット化)といった発展も見込まれる。図書館サービスを向上させるためには、最新の知識を取り入れて、運営面の効率化や利用者の役に立つよう活用する能力が求められている。

参考文献
『目録所在情報サービス』国立情報学研究所(最終アクセス2016年10月25日 23:54)
https://www.nii.ac.jp/CAT-ILL/

 

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難しいと噂の情報技術論レポートですが、私も再提出になり、2回目で努力賞ということで合格にしていただけました。
このレポートは設題②について、技術の組合せの根拠・必然性の論述がまだ一部不明瞭とのことなので、参考にされる場合は気を付けてください。。
ちなみに、まえがきにあるとおり、1,2,3,6,7,8章が情報技術に関する章で、残りの章が図書館での応用の話です。個人的には、設題②で何を書くかを先に決めて、それを説明できるように設題①を組み立てていくのがいいかなと思いました。
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